気付けば俺は、洸の入れ首を掴んで思いっきりぶん殴ってた。


吹っ飛んで立ち上がった洸に殴り返された。


口の中に広がる血の味。


「おい!洸!落ち着けって!」

「そうだよ!カケルンも洸もバカじゃないの!?」

「うっせーよ!翼早にも、慧にも関係ねぇだろ!」

「僕と駆琉のことだから口出しすんのやめて?」


翼早に後ろから押さえ付けられた俺。


洸も慧に押さえ付けられてる。


「駆琉がいらないなら、僕が想乃もらうから」

「勝手にしろ!」

「駆琉!いいから出るぞ!」


翼早に強制的に溜まり場から出された。


それでも、腹立たしさは全く収まんなくて………


結局早退した。


今は想乃の顔も、アイツらの顔も見たくねぇ……。



家に帰る時に必ず通る公園。


そのベンチで、想乃と洸の写真を撮った張本人がシャボン玉を吹かしてた。


「あら、駆琉。おかえり」

「一人でシャボン玉とか…何してんの?」

「残念。覚えてないんだ?初デート」

「とっくに忘れてるっつーの」


俺と咲季、翼早と麻歌。


ここの公園で真夏の夜にシャボン玉したっけ。