早朝6時。


ガッツリ寝不足のまま、咲季に馬乗りになって起こされた。


駅まで送ってけ、だって。


寝不足で低血圧の俺がこんな雑に起こされるなんて最悪。


「バイク出さねぇから、送る必要ねぇじゃんか…」

「じゃあ、バイク出してよ」

「咲季。駅までの距離なら歩いて行けるっつーの」

「元カノにも優しくしなさい!だって……今カノよりも背負ってるモノ大きいし」


そう言って、アイツは俺の背中と自分の背中を指差す。


あぁ……タトゥーのことだ。



なんも言えなくて、学校行くついでに駅まで送ってやった。


その途中で洸と翼早に会ったから厄介。


「お前らまだ続いてんの?」

「んなわけねぇだろ。とっくにキレてる」

「僕はタトゥーとか関係なく、キレイに別れた方が良いと思うよ。想乃が可哀想じゃん」

「分かってる…。それぐらい」



なのに、まだガキだった俺らは単純に永遠を信じて消えないモノを背負った。


あの時の俺は甘かった。