とりあえず叩き起こした咲季にジャージを投げた。
ずっとヤってねぇから正直やべぇ……。
普通に美人だし。
ブツブツ文句言いながら着替えてる咲季をチラッと見ると、背中の左肩甲骨。
翼と一輪の薔薇のタトゥー。
俺とおんなじタトゥーだ。
実際、別れた今は気まずいだけ。
お互いタトゥーのことには、何も触れないようにしてきた。
いや、触れるのが怖い。
「ちゃんと服着たわよー。これで満足?」
「満足も何も、元カレの部屋で素っ裸になんのバカだろ……」
「だって私、駆琉にならまだ襲われても良いもん」
「俺がダメなんだよ。彼女いるし」
「へぇ〜……あの、大人しそうな子でしょ?もうシた?」
「…うっせーバカ。早く寝ろ……」
なんで、こんなこと聞いてくるんだか……。
あんまり未練がましい女じゃなかったと思うんだけど。
手引っ張って無理矢理ベッドに放り投げた。
俺はベッドにリターン。
あー……逆に寝付けねぇわ。