これは多分、想乃には言えねぇから。
タトゥー入れてる理由知ったら、アイツはきっと俺を嫌いになる。
そんなんで別れられるのはゴメンだ。
「隠しとく方がマズくねぇの?」
「俺さ、アイツの泣き顔大嫌いなんだわ。泣かせたくねぇもん」
「泣くか?」
「泣くだろ」
このタトゥーの意味は知らなくていい。
所詮、過去のことだしな………。
身体中の傷は見るだけで、特に手当てとかはしない俺ら。
ケンカ続きだとキリないし。
手当ての時間が無駄だ。
「あー!めちゃくちゃねみぃー…」
「おい、駆琉!俺のベッド占領し過ぎだコラ!」
「は?良いだろ。麻歌いないし」
「まず麻歌寝てたら、お前なんて部屋入れねぇよ!家帰れ!」
「いって!!」
翼早から思いっきり膝蹴り。
真夜中に無理矢理外出されて、仕方なく実家に帰った。
時計を見たら夜中の2時。
さすがに、みんな寝静まってるけど唯一父ちゃんの書斎だけ電気がついてた。
やっぱ社長は忙しいんだな………。
俺もいつか、あんな風になるのか?
想像つかねぇ……。

