【駆琉side】
最近はケンカ続きだ。
右手の拳を何回手当てしてもキリがないから、自然治癒。
それに俺がケンカするのは決まって夜中。
こんな時間に想乃んちに行くのもアレだし、翼早んちに行く。
麻歌もいねぇから、二人でパンイチで身体中の傷を確認。
「ヤベー……腹中アザだらけ」
「駆琉がそんなアザだらけになってんの珍しいじゃん」
「当たり前だろ…。だって1人で20人相手したんだぜ?」
「ウチのトップはすげーわ!」
完全に他人事って感じの笑顔を見せる。
そんな翼早も、俺よりボロボロ。
背中までアザ作りやがって。
麻歌が見たら呆れんだろうなー。
想乃の場合は大号泣だな、絶対。
「……駆琉」
「あ?」
なんとなく分かった。
翼早の視線が背中に向かってる。
「……背中のタトゥー、想乃知ってんのか?」
「この前バレた」
まぁ、なんとか誤魔化したけどな。

