気が向いたら、か〜…。
駆琉の気が向いたらなんて信用出来るわけないじゃん……。
そんなことを思い続けたのは、駆琉の傷が治ってきた頃。
もう夜の11時。
今日は金曜日じゃないから駆琉は、お泊りしてくれない。
1人寂しく部屋の電気を消して、ベッドに潜った。
ガチャーーー………
「…んっ?」
鍵の開く音。
そして、玄関の方から聞こえてくる足音。
こんな真夜中に誰…?
足音は見事にあたしの部屋の前で止まった。
怖い……助けて…!
ぎゅっと目を瞑り、ゆっくりと開けた先には見覚えのある影。
「……か、駆琉?」
「俺以外に誰がいんだよバーカ」
「駆琉だ〜!ちょっと、待っててね!今電気つける!」
寝起きのおぼつかない足で部屋の電気をつけると驚愕。
「どうしたの…?だっ、誰にこんなこと……」
「あ?裏切りした学校のヤツら潰しに行ってただけだ」
生傷だらけの顔を満足そうに緩ませる。
せっかくの端整な顔立ちを傷だらけにするなんて……
駆琉のおバカさん……。

