それから二人で膝に毛布を掛けて、ひたすら駆琉と翼早を待つ。
2時、3時を回っても帰ってくる気配ナシ。
それどころか連絡の一つもナシ。
それ以降の記憶はなくて………
目が覚めれば、明るくなっていて時計を見れば朝の8時。
「…うーんっ……おはよー、想乃」
「おはよ〜…麻歌。…駆琉と翼早は?」
呆れたように首を横に振った。
トーストをかじりながら、待ってても二人は帰って来ない。
もう……寂しい思いは嫌なのに。
「あ……ねぇ、想乃!翼早から電話来た!」
「ほんとに!?」
「うんっ!出てみるねっ」
正座して真剣に翼早と電話する麻歌。
なのに、電話を切ったあとは溜め息混じりに苦笑。
「はぁー………。ほんっとに男の子って自分勝手で困るわね」
「どうかしたの?」
「ふふっ、翼早が駅前まで来い、だって」
「駅前!?そんなっ……一人で歩いたら危ないよ!」
「大丈夫。きっと、翼早が悪者を退治してくれたからっ」
この時、分かった。
麻歌は心から翼早を信頼して、愛していて……。
あたしよりずっと大人だった。