一瞬だけ躊躇した様に見えた。
でも、幹部クラスらしい金髪モヒカンの掛け声でヤンキー集団が殴り掛かって来た。
お前らは猿かよ、うるせー。
俺が殴っても、多人数で来られるからボッコボコ。
唇めちゃくちゃ痛いし、確実に口ん中切れてる。
「おい、駆琉ー!!」
「なんだよ翼早!」
人で…ってかヤンキー集団のせいで翼早がどこにいるか分かんねぇ。
声だけに耳を澄ます。
「トップ倒して来いやー!お前はトップだけ考えろ!」
「お前…翼早ー!頭殴られ過ぎてバカんなったかー?」
「早く倒せやバカケル!!」
「翼早ー…お前あとで、覚えてろよ」
この人数を3人で相手にするとか、完全にバカだろ。
俺がさっさと、トップ潰して助けてやんねぇと……。
アイツら死ぬ。
「頭にしか興味ねぇ。お前がトップか」
「へぇー…よく分かったじゃん」
「一人でずっと高みの見物してたもんな。相手しろよ」
「年上の口の聞き方なってねぇーんだよ!潰すぞ!」
振りかぶって来た拳。
こんな傷じゃ、今日は想乃に会えねぇ。
会えるのは後になりそうだ。