潰すまで時間に余裕があるから、想乃のマンションに寄った。
いつも通り、俺の膝の定位置に座って数学の宿題やってる。
全部答え間違ってるけど、面白いから言わない。
ーーピンポーン………
鳴った家のチャイム。
多分、アイツらだろうけど……念のため俺が出た。
「はーい」
「俺ー。あと、麻歌。開けろ」
ドアを開けると、翼早の後ろからそっと清楚な制服姿の麻歌。
「お邪魔します。ここの家主さんが駆琉の彼女さん?」
「まぁ…そんなとこ」
「ふふっ。会うのが楽しみね」
リビングに通せば、目を見開いてキョロキョロする想乃。
あー、そいえば麻歌と初対面かチビ。
「想乃。コイツ俺の彼女の麻歌。ちょい匿ってくんね?」
「へっ!?ぜ、全然良いけど…」
「初めまして。いきなりごめんなさい。翼早の彼女の麻歌。よろしくねっ?」
「そっ、想乃です!よろしく!」
「想乃って言うのね。名前と同じほど可愛いわ」
「かっ、可愛くなんて…!」
さすが、人見知り想乃チャン。
テンパり過ぎだっつーの……。

