それから夜中、溜まり場になってる慧んちに行く。


慧の家ってより、同じ敷地にあるバカデカイ離れ。


ここの離れなら、慧の家に住み込みでいる怖い人達に会わなくて済む。



「あ、やっと来たー!カケルン!」

「なんだぁ〜駆琉は想乃連れて来なかったのかー」

「こんなとこイチイチ連れて来ねぇよ」


いくら仲間と言えど、男だらけの所に想乃を連れ込むのは……。


なんて思いながら、翼早に視線を移すと彼女連れ。


このメンツに似ても似つかない制服姿の麻歌が翼早の隣で正座。


「ふふっ…久しぶり。駆琉」

「おう…なんで麻歌いんの?」

「学校帰りにストーカーされてる気がして…怖くて翼早を呼んだの。助けてもらったわ」

「それは災難だったな。で?ストーカーどこのどいつ?」

「それが、これから潰す学校の2年。俺の女だって分かられてた」


身近でそんな話聞いたら、想乃のことが気になる。


アイツも連れて来れば良かったか?


不安になったりも……する。



俺らの潰す高校は麻歌の件だけじゃなく、慧や洸が一人でいる時にケンカ売られたりされたらしい。


男子校だから手荒くやるんだと。