【駆琉side】
もう想乃を一人にしないって決めた。
何があっても俺が側にいてやる。
寂しい思いさせて泣かれるぐらいなら、バカみたいに笑ってる方が良い。
初めてアイツを知った日から、俺はアイツの涙が苦手だ。
そこで徹底化しようと思ったこと。
送り迎えは絶対。
「駆琉!あのねっ……」
「ん?」
「いつも送ってくれるのは嬉しいけど、今日はスーパー寄ってくからいいよ」
「俺も行く」
「スーパー行っても何も楽しくないよ!?」
「知ってる。…ほら、早く帰るぞ」
強引に手を引っ張れば、苦笑気味に素直に頷いた。
さすがに、もうこの時期じゃバイクは寒いから来年までサヨナラ。
歩きでスーパー行って、想乃んち行く。
「ねぇ、駆琉。今日この後って…予定ある?」
「夜に慧んち行くぐらいだけど。なんかあったか?」
「それならさ!晩ご飯食べて行ってよ!どうせ、慧んち行くの夜中でしょ?」
こうして、晩メシ食ってくことも多い。
あわよくば、想乃も……食えなかった。
想乃はずっと笑顔でベラベラ喋ってるけどな。
楽しそうだからいっか……。
つーか、最近の俺は想乃に甘い。
気が付いたら想乃のこと考えてて、想乃優先にして。
自分に寒気だ。

