殴られるし、蹴られる。


だから殴り返すし蹴り返す。



全身が痛過ぎて、どこが痛いとか分からないほど殴り合った。


4人ボロボロで、地面に倒れ込む。


見上げた漆黒の空には、腹立つほどキレイな満点の星。


隣にチビがいたらなー…なんて。


「…会えばいんだろ。会えば……」

「最初からそーすれよ、ハゲ」

「翼早のこと、ハゲにしてやるぞ」

「よく言うな……」


ボロクソ殴られて、文句言われた俺は翼早と隣同士で倒れたまま。


よく分かんないで、ケンカに参加してた洸と慧はジャングルジムで遊んでる。


あんな無邪気に笑ってるけど、ケンカはヤバイ。



もう、殴り合いたくねぇ……。



「さすがに、この時期寒いな…。帰るぞ、駆琉」

「うわ〜……寒過ぎてバイク乗る気しねぇ…」

「お前だけ公園に置いて行っても良いんだぞ?」

「乗ります」



ごめんな、想乃。


弱いのは俺の方かもしれない。


絶対会いに行くから待ってろよ。