一通り話が終わって生まれた沈黙。


慧が遠慮がちに沈黙を破った。


「あのさ、カケルン」

「ん?」

「すげーお節介は百も承知。……想乃に会ってあげて?会いたがってたよ」


マジで?


俺、お前のこと守ってやれなかったのに?


俺もめちゃくちゃ会いたいし、会ったらすぐ抱きしめてやりたい。


でも、ダメなんだよ。



「無理って言っとけ。他に守ってくれる男見付けろって…」

「駆琉。弱気発言すんな。それでも一つの高校まとめてるトップかよ」


ベンチから立ち上がって俺の胸ぐら掴んだのは、本気の顔してる翼早。


この顔……マジでキレてる顔だ。


「逃げんなよ。向き合ってる想乃の方がよっぽど大人だな。今の駆琉はガキだ。嫌なことから逃げ回るガキ」

「翼早!言い過ぎだって…」

「洸は黙ってろよ。うぜー」

「は?何、その言い方……」


その瞬間、鈍い音とともに感じた頬の痛み。


翼早から思いっきり、グーパンチもらった。


俺も、やられっぱなしで黙ってられるほど人間出来てない。



気付けば4人で殴り合ってた。