なんで、そんなケンカに明け暮れてるの?


あたしのせい?


不安さが顔に出てしまったのか、慌てて慧が付け足した。


「とは言っても!翼早ちんがカケルンの側にいるから!大丈夫!」

「そんなの分かんないよ…。駆琉ケガしてないかな……」

「カケルンに殴られた側の方が損傷激しいらしいよ」

「もっとダメじゃん!関係のない人を傷付けるなんて…」


駆琉らしくない。


確かに、駆琉は自由奔放でケンカもテキトーに気分でやる人かもしれない。


でも………


そんなケンカのやり方はダメだよ…。



「慧。お願いがあるの…」

「言っとくけど、カケルンを止めるのは無理だよ?」

「ど、どうして!?友達でしょ!?仲間じゃん……」

「そうだね…。でもね、さすがの俺らでもカケルンを止めらんない。だから翼早ちんが側にいる」

「そんな………」



これ以上は何も言えなかった……。


ここはきっと、あたしが立ち入っちゃダメな場所だから。



あたしは大丈夫だから自暴自棄になんて、ならないで。


駆琉に会いたいのに……。