【想乃side】



ゆっくりと目を開けると、眩しい陽射しがカーテンから差し込む。


あたしの部屋だ……。


体がダルくて重たい……。


まるで、あたしの体じゃないみたい…。



「ん…?あ……想乃…想乃が起きた…!想乃〜!!」

「え、ちょっ……誰?」

「分かる?江波莉子!おんなじクラスで…一緒にいる莉子だよ!?」

「り、莉子!?顔…違う…」

「失礼!もー心配したんだから…」


ベッドに寄り掛かってスマホをいじってた莉子。


すっぴんが幼くて可愛過ぎ!!



………そうじゃなくて。


あたしは、なんでこんな状況になってるの?


文化祭で出店を見てて、誰かに拐われて殴られて……


思い出すと頭がズキズキ痛む…。


「大丈夫?やっぱり痛いよねぇ?」

「あ……うん。でも大丈夫!莉子が手当てしてくれたんでしょ?ありがとう!」

「違うよ。駆琉が……手当てしてたの」


駆琉が?


そいえば……助けに来てくれたの駆琉だ。


なのに、すごく悲しそうな顔だったよね……。