今まで俺は数え切れないほど、人を殴って蹴ってケンカした。
だから分かる。
やっと見付けた想乃がいるであろう汚ねぇ教室。
「バカ…。一人で行くなよ。小学生ん時から誰がお前のケンカ付き合ってた?」
「翼早……。最初から着いて来いよな」
「お前の女助けてやんのに生意気。1リットルの牛乳3本な」
「分かったっつーの」
思いっきり蹴り飛ばした教室のドア。
ホコリが舞ってよく見えねぇ……。
目を擦って中に入った俺と翼早は、息を飲んだ。
「…想乃?」
頭から血を流して、倒れてる想乃は制服が乱れてる。
そして、想乃に跨る男。
助けてやれなかった………。
「あははっ!!やっぱり、大好きな彼女傷付けられたらショック〜?」
「……は?夏紀…お前、なんで…」
「言ったでしょ?あたしをフったら後悔させてあげるって」
「想乃に何した?答えろ……」
下品に汚く笑う夏紀の入れ首を掴んで壁に押し付けた。
想乃と付き合う前に別れた腹癒せ?
「あ、言っとくけど先にコレ計画してたのコイツらね〜♪あたしは、その計画に顔出しただけー」
人間として最悪だ。

