何も話さないで、バイクに乗って翼早の後ろを着いて行く。
何も考えられねぇ……。
不安しかない。
着いたのは、忘れるほどずっと前にケンカしてトップを倒した高校の旧校舎。
頭が打ち砕かれたようにガンガン響く。
なんだよ………
こんな旧校舎なのに、バイクと車めちゃくちゃ停まってんじゃん…。
「…駆琉。まだ行くなよ。多分、ここが黒。慧と洸に連絡着けっから」
「んなことしてる時間ねぇだろ。行くぞ、翼早」
「トップが冷静さ失ってどーすんだ。2人で勝てる人数じゃねぇ……おい、駆琉!」
「翼早。俺、相当あのチビのこと好きだわ」
俺が、ケガしようが倒れようが別に関係ねぇんだ。
ただ、想乃になんかあったら俺はきっとダメになる。
旧校舎の古びて錆びたドアを蹴り飛ばして、中に入ると早速雑魚兵3人がお出迎え。
「お前っ……大河駆琉!?」
「そうだけどなんか文句あんの?邪魔くせぇ…」
「ぐっ…!」
さすが雑魚兵は一発で倒れてくれる。
俺が興味あんのは、大切なものを拐ってたバカみたいなヤツ。

