猛獣な俺様の溺愛




今すぐ助けに行きたい。


なのに、場所も人も分かんない……。


ただ、想乃が心配で仕方なかった。


場所はケンカの時に頭がキレる翼早と洸が話して特定してる。



想乃にもしものことがあったら?


すげー嫌なことされてたら………


考えたくねぇ…。



「翼早、洸。早く行くぞ…」

「駆琉。とりあえず、二つ候補ある。この前ケンカした南倉庫のヤツらか、駆琉を潰したがってる高校のヤツら」

「どっちでもいい。とりあえず、行かねぇとアイツ……」


泣き虫だから、泣いてるはずだ。


泣き顔なんて見たくねぇんだよ。


「…分かった。慧と洸は南倉庫行け。んで、莉子はここにいろ。この教室から出るなよ?」

「う、うん…。ねぇ、駆琉!絶対に想乃を助けて!お願いだから…」

「ん……泣かないで待ってろ」


泣きじゃくる莉子の頭を撫でて、バイクの鍵を握り締めた。



おい、想乃。


お前になんかあったら、俺だけじゃなくて莉子も悲しむからな。


絶対に無事でいろよ………


頼むから…。