下駄箱で会ったのは同じく遅めの登校して来た翼早。


来たばっかか。


「はよ、駆琉。気分も機嫌も悪そうだな」

「低血圧なんで」

「あっそ。夏紀さんだろ、どーせ」

「分かってんじゃん。それ以上聞くな」


翼早の言う夏紀(ナツキ)さんってのが、俺の彼女?セフレ?的存在。


マジ気分わりぃ〜………。



翼早と一階の廊下を歩いてると、向かいから猛ダッシュで走って来たヤツ。


「翼早ちんとカケルン♪おはよっ!」

「お前って朝からうぜぇな……。その可愛い顔、駆琉に殴られっぞ」

「え〜!!怖いなっ、翼早ちん」


ふわっとした茶髪に女みたいなくりっとしたデカイ目。


左耳に赤いピアス。


コイツは中学から友達の慧。


「カケルン!俺、みんなの部屋作ったんだよ〜!来る!?」

「暇だから行ってやる。つか、その呼び方ヤメロ」

「カケルンって良くなーい?」

「…もう好きに呼べば良い」


案外、慧が一番怖い者知らずかもしれない。


根性と意地は誰にも負けねぇと思うし。