あたしの力じゃ、男子高校生2人の力には敵わなくて………
あっという間に黒のワンボックスに押し込められてしまった。
ヤダ……
駆琉…助けて…!
「離してよ!うざい!」
「フッ……よく喋る女だな〜。さすが、大河駆琉の女は違う」
「うるさい!絶対に駆琉は助けに来るもん!!」
「黙れよ!チビ女…!」
「…うっ……」
ーーボコッ!!
低い音と頭に感じる衝撃。
頭……右側の額が痛い……熱い…。
「ふふっ……残念。駆琉は助けに来ないわよ〜♪」
薄れゆく意識の中で聞こえた高い女の声は最悪な言葉だった。
そして見えたのは、狭い車内であたしを押し倒す気持ちの悪い男。
恐怖心からあたしは、目をぎゅっと強く瞑った。
ヤダよ………
お願いだから助けに来て……。
駆琉、怖いよ…。