「ちょっと起きてよ〜!駆琉!」
「んー……るせぇ…」
「相手してよぉー。疲れてんだから!」
朝から鼻にキツく残る香水の匂い。
ケバい化粧の女が目の前にいる。
確か仕事はキャバだっけ?
「…今何時?」
「朝8時半。どうせ学校行かないでしょ?シよう?」
「一回だけな」
「やった〜♪駆琉大好きー」
俺らが重ねる体だけの行為に、気持ちなんて一切ない。
俺に本気になるな、ってのは毎回伝えてること。
特定の女持つとかめんどくせー……。
「駆琉……学校行くの?」
「あぁ、行く。残党処理」
「あはは!ヤンチャ過ぎ!今日ここ帰って来る〜?」
「知らね。気分」
「もう!少しはあたしのこと好きになってよぉ〜」
心からウザイと思った。
誰がお前みたいのに本気になるか。
せっかく気分良かったのに、一気に悪くなる。
バイクにエンジンをかけて遅めの登校。
翼早のバイクの隣に停めた。
チャリ置き場にバイクって、かなり浮いてんな……。

