「忙がないと、遅れますよ」


また、ニコっと笑みを浮かべて女の子は門をくぐり、俺の前から去って行った


俺は、白いハンカチが赤く染まるのを見ている

まだ痛みがあるはずなのに、自然と顔には笑みがこぼれる


ママチャリでぶつかって、怒る女の子も居れば、
優しい天使のような女の子も居る


よりいっそう、高校生活が楽しくなりそうな予感がしてくるのはなぜ?


名前、学年、クラスすら解らない女の子にトキメイタ俺。


拳に力を入れ、ようやく俺も門をくぐって校内に向かって歩き出した。