やばい、葵とっくにトイレに行って校門で待ってるにきまってる。


私は大城先輩の返答を聞かず先に口を開いた。


「 あ、私行きますね 」


困った顔をしている大城先輩をもっと困らせたかった。


私がいま葵を独り占めしてると、自慢したかった。


だから嫌味っぽくこう言った。


「 ……言い忘れてましたけど私、田口里愛っていいます。……先輩の元カレ、梶原葵くんとお付き合いしてます。……それじゃ 」


私が言った途端、大城先輩は信じられないような顔をした。


……ずっと、そういう顔をしてればいいんだ。


この時私は思った。


この2人は別れてもお互いを吹っ切れずにいると。


だからこそ、嫌なんだ。


せっかく私だけに心を開いてくれた葵を独り占めできなくなるのは。





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