「 その、話は聞いたけど好きな人は知らない…… 」 私が逆に聞きたいくらいだ。 「 ……私は知ってますよ。……ずるいけど夏休みに入る前から分かってた 」 「 え? 」 そう呟く里愛ちゃんは泣きそうな目をしていた。 「 ……葵は今も昔もずっと想ってる…… 」 そしてポロッと涙を零し消え入りそうな声でそう言って屋上の出口へ向かった。 .