それからミリはすぐにきた。




「修」


リンと鈴がなるような声。
時間ぴったりに来たミリはいつも出勤前に見る格好とは違い、少しめかし込んでいた。


黒のホットパンツから除く白くて細い足。その足元はショートブーツ。
白シャツを着て黒縁の伊達眼鏡を掛けていた。





「ごめんね、待った?」


「いや、俺も今来た所」


「じゃぁ、行こっか?」



「…ん」




ミリに手を差し出して、その手がゆっくり握られた事を確認して、繁華街にあるカフェバーに向かった。



最初は和真さんが経営するゲンにしようかとも思ったけど、それじゃぁミリの存在を見せに行くようなもんだし。






まぁどうせ俺の噂なんて耳にしてるだろうし、あの和真さんが颯人達に何も言わないわけがない。





よってゲンは却下。



ミリに相談すればミリのオススメの店があるらしく、簡単にそこに決まった。





店内に入ってすぐにウェイターに席に案内される。



木目調のオシャレな店内は落ち着ついた暗めの照明で、オープン席と半個室の席に分かれていて




俺とミリは半個室の部屋に案内された。