タバコを吸いながら廊下を歩く。


別に誰も注意なんてしてこねぇ。
普通の奴はこんな不良となんて関わり合いたくないって事だろう。



そのまま足は自然と屋上へと向かった。
サボる時はだいたいここへと向かう。








「…よぉ」


「なんだタクか」




屋上のドアを開ければ地面に寝そべって携帯片手にタバコをふかすタクがいた。




「なんだってなんだよ!なんだって!!」


ゆっくりと起き上がりながらでかい声を出す男は、今のオレンジとは違う茶色の髪。



「いや、耳いてーから、やめてくんね?」


「…ケッお前がこんな時間に来るなんて珍しいじゃねーか」



俺が学校に、しかも朝から来る事に疑問を持ったらしいタク。
まぁそらそーだわな。
だいたい昼からしか行かねぇもんなぁ…



「あー…」


「…なんだ。また女の相手かよ。サルかお前は」


言葉を濁した俺に察しがついたらしいタクは、呆れた様子で言ってくる。



…つーかサルかよ。
おいおい、言ってくれるねぇ。
お前もさして変わんないでしょうに。



「まぁ、そーゆーコト」


「…ほどほどにしとけよ」



…へいへい。
興味がなくなったのか、タクは俺に背を向け寝る体制を取った。