乱華Ⅱ




「俺はね…女を振り回しても、絶対に振り回されねぇの」


「…」


「それがたとえお前でも、だ」


「っ…」


鼻と鼻の先が触れるくらい近い距離で、そんな低い声でそんなことを言う修。



「なーんてな〜」


瞬間、今までのピリピリとした雰囲気をガラリと変えて、パッと私から離れてソファーから立ち上がった。


後ろ姿しか見えないけど、その明るい声が嘘に見えてしまうのは…なんでなんだろう…



そして今の言葉の意味はどういう事?



「しゅ「おい、飯買ってきてやったぞ!」



修。その一言はご飯を買いに行っていたタクの帰還により、最後まで言えなかった。




「全部同じじゃねぇのよ〜」


「買ってきてやったのに文句言うな!」



修はタクの買ってきた袋を漁っていて、その背中は私に有無を言わせないオーラが漂っているように感じて、それ以上追求することができなかった。