「俺はね…女を振り回しても、絶対に振り回されねぇの」
「…」
「それがたとえお前でも、だ」
「っ…」
鼻と鼻の先が触れるくらい近い距離で、そんな低い声でそんなことを言う修。
「なーんてな〜」
瞬間、今までのピリピリとした雰囲気をガラリと変えて、パッと私から離れてソファーから立ち上がった。
後ろ姿しか見えないけど、その明るい声が嘘に見えてしまうのは…なんでなんだろう…
そして今の言葉の意味はどういう事?
「しゅ「おい、飯買ってきてやったぞ!」
修。その一言はご飯を買いに行っていたタクの帰還により、最後まで言えなかった。
「全部同じじゃねぇのよ〜」
「買ってきてやったのに文句言うな!」
修はタクの買ってきた袋を漁っていて、その背中は私に有無を言わせないオーラが漂っているように感じて、それ以上追求することができなかった。


