倉庫の幹部部屋へと上がれば、正宗がパソコンから顔を上げた。
「おはよう」
いつものスマイルを私に向けて眼鏡の奥でくつくつと笑ってる。
もうお昼近いんですけど、嫌味かな?
なんて思いながらも「おはよう」と返した。
「そういえば明々後日心ちゃん空いてる?」
「クリスマスイヴ?空いてるけど…」
正宗から指定された日。哀しいかな。予定ないんですけど。
まぁ彼氏はおろか女友達すらもいないから当たり前っちゃ当たり前なんだけど。
てか、ここの所予定らしい予定はないんだけどさ。
いつもここにいるし、ここに来る事が最早予定みたいになっていたりする。
「お前もうすぐイヴなのに予定なしとはどーなってんだよ」
「…そういうタクはどうなんですかね」
「うるせぇ!俺は相手が多すぎて選べねーだけだ!」
はぁ?何言ってんだこのバカは。
寝言は寝て言え!!
「はいはい。バカも休み休み言いなね。話進まないから」
にっこり笑いながら毒を吐く正宗に、司がタクに買わせたお菓子を口からブッっと勢い良く吐き出した。
…汚ねぇ。
「お前は!何笑ってんだ!赤点!!」
「うるせぇ!タクが笑わせる事言うからだろ!」
「俺のは事実だろ!正宗の言葉で笑ったんだろ今のは!!」
タクが言いながら司のコンビニ袋を引ったくり、コンビニでの戦いが再燃。
…ほんっとこのコンビうるさい。


