そんな訳で…このどこから手をつければいいのかもわからない惨状を、私と修の2人で片付けるハメになったわけで…
しかもタクはドアノックしてもシカトだし、もうアイツは論外。
…だけど
「…あの、修?」
「な〜に〜?」
いや、何じゃなくてさ。
とりあえずカシスオレンジでベタベタになった床を拭いた私は、その手に持つ雑巾を目の前の茶髪に投げつけてやりたい衝動に駆られた。
無意識に右手に力が篭る。
「あんたも片付けしろよ!」
「え〜俺が片付けとかすると思ってんの?」
「…思わない。だけど今はやれ!!」
何呑気にソファーで余ってた缶ビール飲んでんだよ!!
まだ目の前に惨状広がってんじゃんよ!
鍋も床に転がったままじゃんか!
「俺に手伝わせるとか高くつくよ〜?って!汚ねぇなぁ。
あたる所だったじゃないの〜」
あまりのイラつきに、とうとう手に持つ雑巾を修目掛けて投げつけてしまった。
顔面に直撃すればよかったのに。避けてんじゃねーよ。
「うるさい。コッチは当てるつもりで投げたんだよ。早くお前も片付けろ。
さもないと正宗に言いつけるぞ」
「はいはい。わかりましたよ〜」
修はそこで漸く缶ビールを飲むのをやめ、ひっくり返った物を片付け始めた。
…そんなに正宗が怖いか。


