乱華Ⅱ





梶さんが来るまでの間私達は、近くのコンビニで時間を潰す事になったんだけど…




「お前っふざけんなっ!」


「ふざけてねーし!タクが好きなの買えって言ったんだろ!」


「言ったけど、お前フツーそんなに山盛りいっぱいカゴに入れるか!?遠慮っつーもんがあんだろ!?」


「これでも遠慮してんだよ!ケチケチすんなよな!」


「あぁ!?だいたいお前さっきまで廃人みたいだっただろーが!」



…ウルさいし。
なんかくだらない事でギャーギャー騒がないで欲しい。ここコンビニの中なんだからさぁ。


本当にタクの言うように、司はさっきまでげっそりしてたのが嘘みたいだし。



店員なんて明らかに引きつった顔してるし、客は客でタク達見てなんかひそひそ話してるし。




落ち着かない。




私はパラパラめくっていた雑誌を元に戻して、そっとコンビニの外に移動した。




駐車場の縁石に座って、白い息を吐き出し空を見上げる。




晴れ渡っているわけじゃなくて、雲が空を覆っていてどんよりしていた。




「…なんか雪、降りそー」


「…降るかもな」


「…っ」


独り言の私の言葉に返事が返って来た事に驚いて、勢いよく振り返った。