梶さんが来るまでの間私達は、近くのコンビニで時間を潰す事になったんだけど…
「お前っふざけんなっ!」
「ふざけてねーし!タクが好きなの買えって言ったんだろ!」
「言ったけど、お前フツーそんなに山盛りいっぱいカゴに入れるか!?遠慮っつーもんがあんだろ!?」
「これでも遠慮してんだよ!ケチケチすんなよな!」
「あぁ!?だいたいお前さっきまで廃人みたいだっただろーが!」
…ウルさいし。
なんかくだらない事でギャーギャー騒がないで欲しい。ここコンビニの中なんだからさぁ。
本当にタクの言うように、司はさっきまでげっそりしてたのが嘘みたいだし。
店員なんて明らかに引きつった顔してるし、客は客でタク達見てなんかひそひそ話してるし。
落ち着かない。
私はパラパラめくっていた雑誌を元に戻して、そっとコンビニの外に移動した。
駐車場の縁石に座って、白い息を吐き出し空を見上げる。
晴れ渡っているわけじゃなくて、雲が空を覆っていてどんよりしていた。
「…なんか雪、降りそー」
「…降るかもな」
「…っ」
独り言の私の言葉に返事が返って来た事に驚いて、勢いよく振り返った。


