乱華Ⅱ






あの日私はある意味生まれ変わった。



今までの私を消して、新しい私になった。






だから、今こうして笑ってられる?





「おい」


ガヤガヤと煩いこの空間。
ぼーっと目の前のビールを眺めながら、思考をトリップさせていた私に頭上からかかる声。




隣の修はいつの間にか颯人と飲み比べとかしてるし。




お前が記憶なくすなよって話だよ。


…まぁ2人とも至って普通そうですけど。






私はそこから声を落とす人物…タクへと目を向けた。




「何?」


「何?じゃなくて。お前食ってる?」


「…食べてるよ」


あんたら程じゃないけどね。
つかもうお腹いっぱいですけどね。
なんならこの残り食べてくれませんかね?




私の心中など気づくはずもないタクは、私が座るソファーの背に立ち、カチッとジッポでタバコに火を着ける。





「…ならいーけどよ」



スゥと息を吸って、白い煙とともに言葉を紡ぐ。
その目は言葉と裏腹に“もっと食え”と言っている。



…颯人といい、どんだけ太らせようとしてんの。こいつら。