「……ねぇ、もしかして家が無いの?」


私の言葉に…(テンテンテン)。
図星を言っちゃった?


「ククッ……面白れぇなお前」

「??」


「ねぇ、本当に見たの?」

「うん。本当だよ!中庭で王子を見たの」


近付くから女子達の話し声が聞こえた。
話に出てきた王子を探しに中庭に来るみたい。


「…チッ、迂闊だった……俺はもう行くぜ。
アイツらが来たら見なかったって言っとけ」


え?
なんで逃げるんだろうか。
でも困ってるなら見逃す訳にはいかない。


「ねぇ、困ってるなら私に着いてきて!
良い場所を知ってるの。私は桃瀬 命、貴方は」


今思えばこれは運命のイタズラだったのかもしれない。


「……俺は一條 昴だ」


今日、私達は初めて出会った。



「」