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『迅?今どこ?』

「家」


幼なじみ&腐れ縁の伊田 龍
からの電話。


『早く来いや』

「………つーか、なんでそんなに早く行ってんだよ」

『そんなの可愛い子いるかの偵察ですけど』

「くだらねぇ。てか、もう切るわ。じゃーな」


───ブチッ


はぁ…


時計を見ればもう9時57分。


入学式はとっくに始まってる。


ま、出るつもりなかったからいいけど。


そう思いながら制服に着替え始めた。



あ~、学校行くのめんどくせぇな。


そんなことを思いながら飯を食って駅まで歩き始めた。


俺の親は、多くの会社を仕切ってる。

まぁ、簡単に言うと財閥。

だから、金はある。

一応、俺は跡取り。


両親は、海外の方での仕事が忙しいらしく、そっちで働いている。


実家はあるけど、学校から遠いから一人でマンション暮らし。


小さい時から親は居なかったし、別に寂しいなんて思ったこと一回もない。




昔のことを思い出しながら歩いてるともう駅だった。


渋渋、電車に乗った。