無自覚な彼女


すると、隣の席に誰かが座った。


「藍田くん…」


すると、ギロッともの凄い勢いで睨まれた。


「藍田くん?俺昨日、迅って呼べって言ったよな?」


ヒィッ!!!

怖いよ!!!!

いや、その前にそのくらいで怒らなくてもいいじゃん。


「そのくらいで怒らなくてもいいじゃんだと?」

「え!!何で分かったの?!」


エスパーなの?!


「瑠花、全部口に出てる。あと、顔でわかる」

「うそ!!」


そう言いながら、口元を手で隠した。


「もう、言っちゃってるわけだし抑えても意味ねーよ?」


ハッ!


「ばーか」

「う、うるさい!!」


迅に向かって、ベロを出した。


「そんなことしたら逆効果。可愛すぎ」


な!!

かわいいだと?!


「私はかわいくな…」


そう言おうとしたら、迅は、満面の笑みを浮かべた。


「瑠花。私はかわいくな?」


優しい口調なのに、とても怖い。


「わ、私はかわいくない!!!」


こんなの、言ったもん勝ち!!


「ふ~ん。瑠花は、そんなにお仕置きして欲しいのかな?それなら喜んで可愛がってあげるけど?」

「や、やだ!!痛いことするんでしょ?!やだやだやだやだ!!!」


お仕置きだと!?

やだよ!!!


「でもさ、瑠花は、いつまでたっても分からないんだもんね?お仕置きしに行こうか?瑠花ちゃん?」


そして、ニコニコと愛想の良い笑顔を私に向けた。


次の瞬間、体が宙に浮いた。


私飛べたの?!

まぁ、そんなわけではなく、下を見ると迅に抱っこされていた。


「や、やだ!!おろしてよぉ!!!凛華!助けてよ!!!!」


すると、皆さん、薄情者は言ったんですよ。


「そうね。たーっぷりお仕置きしてもらってきなさい♡」


こ、この!!!!

薄情者!!!!!


「凛華!帰ってきたら、許さないから!!!」


そして、ベロを出して、不細工な顔もっと不細工にした。


「無事に帰ってこられたらね~」


こ、この~~~~~~!!!!!

馬鹿!凛華の馬鹿あああああああ!!!