無自覚な彼女


「あと、瑠花。俺のこと次から迅って呼べよ?」


そう言うと小さい声で「うん」と聞こえた。


「瑠花。顔上げて」


すると俺の腕の中から美少女が顔を出した。

少しだけ、間をおいてから瑠花の唇に自分の唇を重ねた。



−瑠花Side−



迅との2回目のキス。


前のキスよりも優しくて。

私の目から最後の雫が頬を伝った。


触れるだけのものから段々求め合うようなものへ変わった。


「…っん、はぁ…んっ‥」


深くなるに連れて自分のではないような声が漏れた。

キスが終ると恥ずかしくて迅の胸に顔をうずめた。


少しして顔を上げると迅の優しくて暖かい笑顔があった。


「自信もて。俺が可愛いって言ってるんだから」


迅は、いつも可愛いって言ってくれるけど、私なんかのどこがいいんだろ。


「…迅、私のどこがいいの?可愛くないしスタイル悪いのに。なんで?」


はぁ…という顔をした迅。


「さっき自覚もてって言ったばっかだろ。馬鹿」


馬鹿という言葉にムッとする。

けど、少しだけ間があき迅が口を開いた。


「…俺だけじゃなくて他の奴らも可愛いと思ってるよ。本当は、俺だけに可愛いとこ見せてくれれば最高だけど」


そして、チュッと私に口付ける。


「瑠花泣かせて悪かったな。教室戻るか………って、授業もう終わるか。とりあえず、制服に着替えねーとだな」


そう言いながら、立とうとする迅。

ギュッ

必死に迅に回ってる腕に力が入った。


「…迅。まだ、このままじゃダメ?もっとぎゅ~ってして欲しいの。我がままってわかってるけど……でも、お願い」


「…ったく、その顔俺以外にみせんなよ?」


迅は、たくさん抱きしめてくれた。