こいつがしっかりしてる?


「もう、どうでもいい。でもな、そんな格好でそこらをウロチョロされるこっちの身にもなれ」

「ですよね。こんな可愛くなくてスタイル悪い私がこの格好でウロチョロしたら皆の目の毒ですもんね」


だめだこいつ。

鈍感純情天然無自覚娘が。


「馬鹿。お前が可愛すぎるからそんな格好でウロチョロすんなって言ってんだよ」

「…」


ギロッ。

大きな目に沢山の涙を溜めながらこっちを睨んでる。

まぁ、そんなことしても可愛いんだけどな。


「私可愛くない。お世辞にも限度ってものがあるのわかってます?!」


逆ギレする瑠花。

でも、もうだめだな。

ずっと目に溜めてた涙が止めどなく溢れてる。


「瑠花」


ピクッ

少しだけ、瑠花が肩を震わした。

俺が名前で呼ぶのは、聞いたことなかったもんな。

後ろにある椅子に腰掛けた。


「おいで」


そう言いながら手を広げると、少しだけ間をおいて俺の腕の中に瑠花が、おさまった。

抱っこ状態。

抱きしめると、ほんとに瑠花が、小さくて折れそうなくらい細いのがわかった。


「瑠花。少しくらいは理解しろよ。いくら自分の容姿に自覚がなくても」


…コクッ