あいつほんとーに人の話聞かねーな。


でも、やっぱいきなりキスはやり過ぎたか?


あの、 鈍感純情天然無自覚娘には。

でもあいつがいけねえんだよ。


言うこと聞かねーから。


さっきの男って誰だよ。


俺以外が瑠花に触れんのとか本当に許せねえ。


この1ヶ月俺がどんだけ我慢してたと思ってんだよ。

あいつから話しかけんの待ってたのに、一回も話しかけてこねえし。


俺がどんな思いでいたかわかってねーんだよ。


まぁ、 鈍感純情天然無自覚娘に俺のこと好きにさせる。


龍を利用する時が来たか。


───


「龍」

「なに~?」


「俺前に瑠花がほしいって言ったよな?」


「ん~。言ってた気がする」

「あいつ鈍感純情天然無自覚娘なんだよ」


「へー。で、それがどうしたの?」


「俺のことどう思ってるか探ってみろよ」

「え、そんなの自分で聞けよ~」


「ふーん。お前がその気なら、これ今井に渡してもいいんだぜ?」


龍の前でピラピラと1枚の写真をちらつかせた。


「じ、迅…!それだけはだめだ!!!分かった分かった!!」

「最初からそう言えばいいんだよ」