無自覚な彼女


「あの…お話とは、何でしょうか…?」


少し間が開いてから藍田くんが口を開いた。


「愛河瑠花。俺と付き合え」


へ?


「あの、どこに付き合えばよろしいのでしょうか…」


すると、藍田くんはびっくりした顔になった。


「あの…。平気ですか?」

「‥ああ、平気。今井の言ってた通り純情鈍感天然無自覚…」



それに、なぜだかカチーンときた私。



「私、純情鈍感天然無自覚じゃないもん!!」


と涙目になりながら大きい声で行ってしまった…。

私が泣いたことに驚いたのか、藍田くんは泣くなよとか悪かったとかいってたけど、なかなか泣き止まない私にしびれを切らしたっぽい。




「…チッ」




………え



ギュッと温かい何かが私を抱きしめる。




……えぇぇぇえ!!


だ、だ、抱きしめられてる?!


私ドキドキしすぎてる!!!


「あああ…藍田くん!」


「ん?涙止まった?」


「…うん。もう止まったから離して?」


と、言ってみると


「…それは反則だろっ」

「え?なにか言った?」


「…なんでもねぇ。ごめんな、急に抱きしめて」


「ううん、ありがとう。その、涙止めさせてくれて‥」


と、一応お礼を言っといたけど‥


「あぁ、とりあえず俺のものにするからな。他の男にそんな顔見せたらお仕置きだから」


とか意味のわかんないこと言って藍田くんは屋上から出て行った。



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そして、その後凛香のとこに戻ってさっきの事を話した。


………ていうか、吐かされた。