無自覚な彼女




二人を置いてリビングへ向う。



「瑠花おかえり。入学おめでとう」

「瑠花おかえりなさい。おめでとう」


「お父さん、お母さんただいま!ありがとう!!」




私のお父さん、愛河 恚介(あいかわ けいすけ)

切れ長二重の綺麗な目。
高い鼻。
薄い桜色の唇。

お父さんは、結構有名な会社の社長。



お母さん、愛河 珱(あいかわ よう)

まん丸の大きい二重の目。
それに負けない大きな瞳。
唇は愛姫ねぇが似たみたい!
綺麗なピンク色。

お母さんは、お父さんの会社の副社長。


二人とも今年で40歳。


‘‘の’’はずなのに、見た目は30って言っても通るくらい若い!


しかも、美男美女。

昔も今と変わらず、二人ともお似合いのカップルだったんだろうな~。


なんて羨ましいの!


娘の私になんで美という血がひとつも通ってないの!?


だって、お兄ちゃん、お姉ちゃんみんなかっこいいし、綺麗なんだよ!?

不公平だ!!


「瑠花、今日変な人にあったりしなかったか??」


もう……お父さんったらなんでそんなに過保護なんだろう。


「お父さん。私は、変な人になんてあってないよ。てか、私可愛くも何ともないから平気よ」


「瑠花。お前は自覚が足りなさすぎる」


「恚介。そんなこと言っても無駄よ。瑠花は自分の容姿に無自覚なんだから」

「だから、ほっておけないんだ…!」