優しすぎる貴方~part2~

「それで、昨日家に帰ったら奈々子がいたんだ。

俺は嬉しかった。心の底から嬉しかったんだ。

親父も『結婚したらどうだ』

って、いうんだ。奈々子の家も俺たちの会社とよく関わっているから……」


下を向きながら、申し訳ないと声が震えていた。


中津さんも嬉しくて、会社側にも嬉しい。


私には、どちらも出来ないこと。

奈々子さんには、出来る。


「私を助けた理由がようやく分かりました。

私、最初から疑問だったんです。

初対面の人がこんなに私なんかに優しくするわけが無いって

私が、ただ奈々子さんと何かが似ていたから

大切な人と似ていたから。この7ヶ月の謎が全て解けました

大丈夫ですよ。中津さん」


大丈夫。最初から分かっていた。

私なんか、優しくしてくれる人なんていないって。


だけど、少し中津さんを信じすぎたから辛いけど

また、いつもみたいに忘れればいいだけだから……