そしてもうしばらく髪をぐいぐい引っ張られて……。
「「かんせーいっ!」」
どうやら、四人がかりの集大成が出来上がったようだ。
くるっと後ろを振り向く。
すると……。
なぜかポカーンとする2人。
ぼっと顔を真っ赤にした1人。
そして……目を爛々と輝かせ、私に抱き着いて来た1人。
抱き着いて来た1人はもちろん杏奈だ。
この抱き着き魔め。
でもいつもはおっきい杏奈の胸に顔をぎゅーぎゅーされるけど、直ぐに離された。
「莉子、もうすごいよ!こんなにも似合うとは思ってなかった!」
肩に手を置かれ、顔が近いまま杏奈がしゃべる。
「……あ、ありがと?」
私はとりあえずお礼を言った。
「莉子、トイレ行って鏡見ておいで!」
そう言われたので私は、席を立ってトイレにある大きい鏡を見に行こうとした。
でも入り口に向かって歩いていると……。
がっしゃーーーん!と大きな音がした。
ビックリしてその音の方を見ると…。
なんと、葉月くんが椅子から落ちてこけていた。
椅子も倒れている。
「え、葉月くんっ!?」
慌てて葉月くんのもとへ駆け寄ると、なぜか葉月くんと一緒にいた男の子たちにポカーンとした目で見られた。
心の中にそんな男の子たちの態度に疑問が浮かぶものの、葉月くんの傍にしゃがみ込む。
「大丈夫っ…!?」
葉月くんは「いてて…」何て言いながら腰をさすっていたので、大きなけがはしてないみたい。
でもふと、葉月くんがこちらを見ると……。
ぴしりっと固まった。
「……?」
葉月くんの態度に首をかしげる。