二人でお店に鍵をかけて、私とハナは夜の道を、駅までゆっくりと歩く。


『新谷さん。』

『なに?』

『リーダーだから、しっかりしなきゃ、とか思ってるでしょ』

『…!!』


私は思わず立ち止まって、ハナを見る。

『当たり。新谷さんって分かりやすいですね』

『どうして…わかるの?』

『そりゃ…見てたらわかります。なんかいいことあったな、とか落ち込んでるな、とか。』

『……』

『俺、そういう新谷さん好きですよ』

『…ありがと』

『だから、元気だしてくださいね』

『…うん』

『じゃあ、お疲れさまでした』

『お疲れさま』




私は改札をくぐる。

振り返ると、ハナが笑って手を振っている。
あのいつもの笑顔で。

私も少し笑って、手を振り返した。