岳side



初めて美優と手をつないで歩く廊下はすっげー新鮮で、幸せそのもの。


横には大好きな笑顔を浮かべた彼女がいる。

それがどれだか幸せなことか、人生の中で何人か彼女はいたけど、美優とこうして歩いてみて初めて知った。



美人で、どじな奴。


それが美優を初めて見たときの印象だった。


1年の入学そうそう美人と有名だった美優。

その噂は、俺の周りでは入学式の日にすでに広まっていた。

スポセンで入った俺は、入学前からサッカー部の練習に参加していて、それで何人か友達が出来ていた。

1年はスポセンクラスがあって全員一緒のクラス。

そいつらと入学式が終わって教室に戻っているとき、俺らの中で一番うるさい男、名前は圭吾が目をキラキラさせて、美人がいたと話し始めたのがきっかけで、休み時間に普通科のクラスを見に行くことになった。


教室を探して、入学式の座っていた位置だと特待クラスの子だった。と言う圭吾、入学初日から他クラスに堂々と顔を突っ込んでその子を探していた。


「いないなー。」

そう言って首を引っ込めて、廊下に立っていた俺たちを見た。


「特待じゃないんじゃねーの。」

一番俺らの中ではしっかりしているさとしが言った。