櫻の王子と雪の騎士 Ⅰ








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 オーリングは、驚きのあまり呆然としていた。



 何故かって?



 驚くのも無理ない。彼は今、ユニコーンに跨ってそのしなやかな純白の体を走らせているのだから。



 いや、違う。



 走らせているのは彼ではない。



 彼ではないからこそ、こんなにも驚いているのかもしれない。



 神聖視されるほどに気高く、神々しいほどの肢体を持つユニコーン─ノアを、見事なまでに操っているのは、他でもない異国の少女。



 そう



 ルミ、なのだから。





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