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美しい花々達が咲き誇る王宮の庭園。



その中に佇む純白の肢体。



額から出た鋭い角が陽の光を反射し、キラリと光る。



「ノアっ!」



遠くからかけられたその声に反応し、濃いブルーの瞳がその声の主を捉えた。



「!...ルミ、よかった元気そうで...」



「ノアこそっ、久しぶりっ会いたかった!」



ノアの元へと走りより、その白い体に抱きつく。



ユニコーンのノア。



ずっとこの庭で待っていたのだろう。



「寂しくなかった? 呼んでくれたらすぐに来たのに」



心配そうにルミの手がノアの顔を撫でる。



ノアはそれは気持ちよさそうに目を閉じて受け入れながら言う。



「バカいえ、怪我人を呼び出す訳ないだろ
まったく...ルミはこの国に来てから怪我してばかりだな」



心配するこっちの身にもなってくれ。



そう言いつつも、ルミに擦り寄りながら戯れるように触れ合うノア。



ルミ自身しばらく会っていなかったノアとの触れ合いを存分に楽しんでいると、



「...よお、ノア」



低い声が二人の背後からかけられた。



ノアがその声に反応するように頭を持ち上げ、声のする方へ向くとそこには、長い黒髪を後ろで一つに結い、いつもよりラフな格好をしたジンノがいた。



ラフと言っても黒で統一されていることに変わりはなく、おまけにサングラスをしているため何処のヤクザだとつっこみたくなる。



「............」



「ジンノさん、そんな怖い格好しないでもっとラフにしたらいいのに...サングラスなんかしたら、せっかくのカッコイイ顔が勿体無いじゃないですか」



黙ってジンノを見つめるノアに対し、ルミは鬼も恐れる魔王になんの躊躇いもなく話しかける。



「勿体無いってなあ...これを取ったら左目が見えるだろう。誰もこんなの見たがらねえよ...いつものように前髪下ろしたくてもお前が後髪と一緒に縛っちまったし......」



不服そうにそう答えるジンノ。



その二人の様子はとても数日前に出会ったばかりには見えず、兄妹だと言っても疑わしくないほどだった。