恋愛事案は内密に

「はい」

「これ、入力したんですよね」

一枚の発注FAX用紙を差しだす。

「入力して、もう送信したんですよね」

「ええ」

「まずいですよ、これは」

「え?」

「毎朝言ってるじゃないですか。ホウレンソウって。何でちゃんとあたしに聞かなかったんですか」

「忙しそうだったので、つい」

「つい~じゃないでしょ。これ本社工場で梱包はじまってるかもしれない」

「お疲れさま」

所長が事務室に戻ってきた。

「所長聞いてくださいよ。森園さん、発注ミスしました」

「え? 森園さんが?」

「この1っていう字、7と間違えて入力しちゃったみたいなんです」

所長はFAX用紙を手にとると、困った顔をした。