恋愛事案は内密に

「あのあと、大丈夫だった?」

「え、ああ、大丈夫ですよ」

「ならいいんだけど」

北野さんがほっとした表情を浮かべた。

席につくと、いつものように朝礼をすませて業務に入る。

「……ということで、聞いてます? むつみさん」

「あ、はい、五十嵐さん、じゃなかった、所長」

はっ、と気付いて、言い直すと、高清水さんは口をぽかんと開け、北野さんは口を押えて笑っている。

もちろん、所長は少し吹き出していた。

「気を取り直して。今日は僕からも発注をお願いするのでよろしくお願いしますね」

「あ、はい」

「それでは今日もよろしくお願いしますね」

所長はちらりと横目で私を見て、外回りに行ってきますと事務室を出ていった。

午前中に多くの注文書のFAXが届き、高清水さんと手分けをして入力を進めた。

昼をはさんで午後も引き続き入力作業をすすめていった。

5時近くになり、そろそろ帰る頃になったときだった。

「ん? ちょっと、森園さん」