恋愛事案は内密に

「え、ああ、ごめんなさい。探さないと」

といって、所長に似合いそうな色を探す。

外回りだから目立たないと、という問題ではないので、年相応の落ち着いたものを選んでみる。

「これはどうですか?」

あのスーツには無難だけど、茶色と白とオレンジ色が入ったストライプ柄ネクタイが似合いそうだ。

「いいですね。これもらいますか」

所長は嬉しそうに店員にネクタイを差しだし、レジに向かった。

仕立ては一週間でできあがると店員さんから教えてもらった。

ネクタイを包んでもらい、お金を支払うと、外へ出た。

うすい雲間からかすかながら日差しが出てきた。

「あ、あの、これでよかったですか?」

「むつみさんのセンスがいいおかげでスムーズに買い物ができました」

「いえ、たいしたことじゃないんですけど」

「ネックレスの送り主にも選んでいたんですね」

「えっ」

「図星でしたか」