恋愛事案は内密に

「いいんじゃないですか」

所長がりりしく、まぶしくて凝視ができない。

「わかりました。これにします。これで仕立ててください」

「かしこまりました」

「あとはネクタイですね。むつみさん、選んでもらえませんか?」

「……私に、ですか?」

「僕に似合うネクタイ、探してもらいたいんですけど」

「いいですよ」

所長は試着室に戻り、私は店員さんからネクタイコーナーを教えてもらう。

赤や黄色、青や紫、緑など色とりどりにきれいに並べられたネクタイは見ているだけでも気持ちがうっとりとしてしまう。

男性にネクタイを探してあげるのは、大和以来だ。

大和なら、黄色っぽい元気な色のネクタイだったな、と黄色のネクタイを触っていた。

「何、考えていたんです?」

所長が眼鏡をかけたラフな格好で戻ってきて、私をのぞきこんだ。