恋愛事案は内密に

土曜日は予約していた美容室へ行って髪の毛を少しだけ切りにいった。

待っている間に待合室にある本棚からあまり読まない女性雑誌を選んで読む。

働く女性のドロドロ恋愛バナシが載っていて、社内恋愛と不倫について書いてあるページを読もうとしたところで担当の美容師が来たのでしぶしぶページを閉じた。

髪の毛がきれいにセットしたからといって、地味なこの顔は変わることもなく、仕上がりに満足しましたかと美容師に尋ねられても顔も直してほしいと思ったけれど、結局満足したとうなずいて帰った。

週末は結婚した友人たちは家族ででかけていたり、未婚の子は彼氏とデートにいったりと私が入る隙もない。

したがって彼氏がいなくなった週末は一人で買い物に来て、喫茶店に立ち寄って帰る習慣となっていた。

ベランダから外を眺めると、うすい雲が空全体を覆ってはいるものの、雨は降らず、その代わり蒸し暑い。

軽く昼を食べてから水色のシャツチュニックに白色のパンツを合わせ、でかけた。

退屈な日曜の日課をこなそうと喫茶店へ行こうとしているみちすがらだった。

駅から一本の通勤に使う目抜き通りの舗道を多くの人の間を縫いながら歩いていた。

短髪に眼鏡、灰色の半そでシャツにジーンズ姿の所長が歩いてこちらに近づいてくる。

その隣には右耳に髪の毛をかけ、白いポロシャツにカーキ色のチノパン姿の北野さんがその隣を歩いていた。